風の歌、星の囁き 【第一章】  2000.8.30(水)01:17



ある、明け方の風景・・・
「・・・( ̄¬ ̄)ZZZzzz・・・」
「・・・( ̄ο ̄)ZZZzzz・・・」
『・・・この二人は・・・変なところが似ておるの・・・
 セレナ様も・・・まさか狙ったわけじゃあるまいて(−−;;;』
紫龍の呟きは爽やかに吹き抜ける風が流していった。
大樹の大きく張り出した枝の上で静かに寄り添って眠る、銀髪の青年と長い緑の髪のエルフの女性・・・
風の精霊は二人をそっと包み込み、時に微風を送る。悪夢で魘されないように。
大樹は二人のベッドとなり、穏やかな夢を提供する。良い眠りが来るように。
それは、至って平和な・・・静かな・・・朝のまどろみの一時・・・







風の歌声、星の囁き  〜或いは永遠の輪廻と、普遍の真実〜

     第一章  始まりは風の運ぶ微睡・・・







大地は眠り、   水はたゆとう。
火は立ち上り、  風は吹き抜けてゆく。
木々はざわめき、 雲は流れつづける。
星は瞬き、    生き物は動き始める。

そして・・・






今日も今日とて、じゅらい亭の店主「じゅらい」の一日の仕事が始まる。
といっても、主に(っつーか、殆ど(?))常連の客の相手だが。
開店したばかりとあって、流石に誰も居ない。
昨日の惨劇(?)は跡形も無く、綺麗に治っていたりする。
この辺は、じゅらい亭七不思議のうちの「店主じゅらいの財産の在り処」と並ぶ謎だったりもするのだが・・・

「やれやれ・・・(−−;;; 
 ゲンキ殿は一体幾らまで借金を作る気なのだろうかね??」
溜息をつきながら。しかし、なんだかとても幸せそうにぼやく店主殿。
常連の度を過ぎた馬鹿騒ぎも、じゅらいにとっては一服の清涼剤のような物なのであろうか。
・・・風舞さんにはえらい迷惑であろうが。(笑)

そして、じゅらいはグラスを手にとり、磨きだす。
いつもの、いつも通りのじゅらい亭の光景がそこにはある。
・・・はて??普段、この行動しか見ていないような気がするのは気のせいで(以下店主による倫理的撲殺&抹殺音)

・・・何はともあれ。麗かな朝の日差しを受け、今日もじゅらい亭の一日は始った。
そう。大変な、一日が・・・


「おはよーございますにゃ〜〜」
「おはようございま〜〜っす。」
元気な声で扉を開けたのは猫と犬。
・・・猫と犬??
・・・
・・・
・・・
しかし、何処から見ても猫と犬。
むぅ・・・猫と犬・・・どうやって・・・
作者がシュールな光景に悩んでいる間にも彼らの時間は過ぎていく。(笑)
「おや。おはよう。(^^)」
じゅらいは何事も無いかのように挨拶を返す。
「ますた〜〜。朝ご飯とほっとみるくにゃ〜〜。お酒入りで。」
「あ、僕も。・・・酒抜きで。あと、ほねっこお願いします。」
とことこ、とカウンターまで駆け寄ってくるととんっ。とジャンプし、じゅらいの前まで来る二人(?)。
「はいはい。了解。でも、ヘリオス殿。朝からお酒かい?(^^;;」
ちょっと呆れつつも、「破壊」する二人ではない為か愛想が良い。
少し待つように二人に言い置き、じゅらいは奥へと引っ込んだ。
待つことしば・・・
「・・・おなかへったにゃぁ〜〜」
「・・・減りましたねぇ・・・」
カウンターには、引っかき傷が出来つつある・・・
・・・お前等、待てんのかぁぁぁっ!!(爆)




からりん。と、ドアの鈴が鳴る。
入って来たのは郵便屋さんであった。
顔をドアの隙間から覗かせ、亭の中に声をかける。・・・目が心なしか大きく開かれているのは気のせいであろうか?
「・・・お、おはようございます。ゆ、郵便です。(^^;;;」
「あ、お疲れ様です。どうぞ。お入りになってください。」
犬――WBが彼に声をかける。おずおずと、足を踏み入れる郵便屋さん。
やはり、一般人には神聖にして不可侵の領域として扱われているのであろうか。
郵便屋さんの腰は引け、まるで秘境探検隊のごとくきょろきょろとあたりを見回している。
そんな彼の怯えなど意にかえさず、猫――ヘリオスはカウンターを降り、郵便屋さんに向かっていく。
「お疲れ様ですにゃ。(^^)」
「・・・は、はぁ・・・(滝汗)・・・ゆ、郵便物です・・・」
喋りながら歩いてくる猫にビビリながらも、おずおずと外に置いてある大きな袋を指差す。
「了解ですにゃ。WB君?お願いしますにゃ。」
「マジですかぁぁ??Σ( ̄□ ̄;;; ・・・人使いが荒いよぅ・・・(泣)」
今度は喋りながら歩いてくるWBを見、硬直する郵便屋さん。
そのまま暫し。そとからずりずりと袋を咥え、亭の中に入ったWBを見ると後退りしながら亭を出た。
「・・・で、では・・・(ふらりふらり)」
・・・きっと、彼は今晩、夢を見るのだろう。化け猫と化け犬の夢を・・・(合掌)



「さて。始めるか。(すちゃ)・・・これは・・・アレース殿宛・・・これは・・・(ごそごそごそ)」
じゅらいが、亭宛に送られてきた物の仕分けを始める。
別の世界から送られてきたり、人外のものからの手紙も来たりする為、《翻訳眼鏡》を装着してから。
楽な仕事のように思うかもしれないが、かなり大量の手紙や品物が送られてくるため、これも結構な仕事になる。
そんな量になるのは、郵便局の方がじゅらい亭に来るのを週に一回、と(勝手に)定めていたりするからなのだが・・・
そんな先方の事情など知る由も無く。じゅらいは淡々と仕分けを続ける。
その両脇には興味津々と、言った表情でヘリオスとWBが覗き込む。
「・・・これは・・・JINNど(ひょわっ)」
じゅらいがJINN宛の郵便物を手にとった瞬間。
ヘリオスの首輪に付いている指輪から一筋の光が放たれ、封筒に絡みつく。
そして次の瞬間にはもう、光も封筒も消えていた。
「・・・一体・・・何が・・・??」
WBが驚愕し、じゅらいが溜息をつく中。
「・・・今度は、何を送りつけてもらったのかにゃぁ・・・??
 だんにゃぁ〜〜っ!!出てこいっ!!!(☆◇☆)」
ヘリオスの目が光り、指輪に向かって吼える。
「(ふぅっふぅっ)出てこないとにゃぁ〜〜・・・」
語気とともに息が荒くなってくるヘリオス。
と。
「(ひょいっ)」


首輪から指輪がはずれて飛び出し。

一つ向こうのテーブルに乗っかり。

そして腕が出て。

ぐっ。っと親指を立て。

そして引っ込む。



・・・・・・・・皆が唖然とする中。
妖しく両目を輝かせた猫が猛然と飛び掛る。
指輪は、それを手慣れた感じで避け、こちらのテーブルに着地(?)する。
再び飛び掛るヘリオス。ひらり。と光の残滓を残し、華麗に避けるJINN。
「うにゃぁぁぁぁっ!!」
叫び声を上げ、閃光の如く再び飛び掛る。
リボンを閃かせながら宙を舞う。
飛び交う技。
フライングボディアタック。
ムーンサルト。
飛天○剣流。
ボソ○ジャンプ。
稲妻○ック。
終末の・・・



「にゃ??」
「(じたばた)」
唐突に戦いは終わった。
じゅらいがふたりの首根っこを掴み上げたのだ。
「・・・仲がよろしいことで。」
にこやかに笑うじゅらい。
しかし、その背後には妖しく揺らめくオーラがたゆたっている。
・・・WBはすでに正反対の壁でちじこまっていたりするが。
「・・・でもね??郵便物の上で暴れないでほしいかなぁ・・・って、思うんだよねぇ・・・拙者。」
あくまでもにこやかに。されど鬼気迫る表情でさらりと。
ちなみに眼鏡が光り、瞳が見えないのは幸いなことであろうか。(笑)
摘み上げられている二人が視線を落とすと・・・
無残にも破れ、ぐちゃぐちゃになった封筒が散乱しているのであった。
「・・・借金・・・増える・・・かなぁ・・・(汗)」
「・・・ふにゃぁ・・・(−−;;;」
同時に嘆息。そして呟く。
流石は夫婦、であろうか??



結局、二人は仕事を始める前の風舞さんに、説教をもらったのであった。
そして、二人が家に帰った後。
戦いが再開されたことは・・・また、別のお話。



「・・・あれ、中身は結局何だったんですかね??」
「さぁ??何だろうねぇ。まぁ、JINN殿の事だから・・・ね??(ーー;;;」
風舞さんの説教を横目で見つつ。WBとじゅらいは手紙の修復に取り掛かる。
とはいっても幸いなことに、封筒が派手に破けていたのが殆どであったため、新しい封筒に入れる。という作業だが。


かたん。
「おっと。しまった。(^^;;;」
じゅらいがある封筒を取り上げた時、底が破けていたのか。
何かが落ちた。
拾いに床に下りるWB。
手を伸ばすじゅらい。
二人の動きが同時に止まる。それを目にした瞬間に。
「「・・・ロケット・・・??」」
落とした衝撃のためか。
蓋が開いており、中の写真が見えたのだ。
そこにあったのは――紫の髪の、見事なまでに美しい女性の姿。

机の上の破れた封筒の宛先にはこう、あった。

《 アキ・ティファナへ 》

と。







大地は眠り、   水はたゆとう。
火は立ち上り、  風は吹き抜けてゆく。
木々はざわめき、 雲は流れつづける。
星は瞬き、    生き物は動き始める。

そして・・・

光は燦々と、ゆらゆらと。
闇は爛々と、つらつらと。

神々の息吹により始まったこの世界も・・・
人々によって紡がれ続けた夢たちも・・・

何一つとして例外は無く。
連々と、とうとうと・・・時は流れつづける。

古より変わることの無い彼らは・・・
一体、何を・・・見続けてきたのだろうか・・・?





〜To Be Continued
   Next Episode ”朝の微睡の中で・・・”〜







・・・懲りずに再び書き始めてしまいました。(笑)
どもども。アキです。

今回は、続き物であります。
次回、第二章は9月末までを目標に。
そう。あくまでも、「目標」に。(爆砕)


内容につきましては・・・


・・・ごめんなさい。(土下座)
ただ、なんという事は無い。
ほんとーに何という事の無い、単なる文字の羅列です。(笑)
次は、もうちょっときちんとした文を書かないとなぁ・・・(嘆息)


それでは、最後になりましたが。
今回、出演してくださった皆様。
ほんとーに、ありがとうございました。

また、出演者募集に答えてくださった皆様。
ありがとうございます。(^^)
次章から、ちゃぁんと出てきますので、ご安心を。

それでは。
また、お会いいたしましょう。


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