じゅらい亭日記CDマンボ的  2000.6.13(火)09:37



 その夜、セブンスムーンの堀から、泳いでいたマンボウが捕獲された。
 なぜこんな所にマンボウが迷い込んだのか、捕獲した警察の方でも不思議に思いながら、とりあえずその夜は水槽に生かしておいた。

「さて、今日は何が手に入りますかねぇ♪」
「そうね、何を買おうかしら?」
 ゲンキと風舞の二人が、今日のじゅらい亭で出す食事の材料調達に朝市に現れた。一通り市を見て適当な食材を購入した後、二人は朝市の一角に人だかりの出来ている場所に気付いた。近くの人間に尋ねると、何でも変わった魚が捕まったという事だった。
「面白そうね、行ってみましょう」
と、風舞は食材を沢山持たせたゲンキを置いて行ってしまった。
「あぁ、待って下さい〜」
 言いながらゲンキも後を追った。

 朝市から帰った風舞はじゅらいや早朝の客に出す朝食を作る。その良い匂いをかぎつけたじゅらいがじゅらい亭の厨房に顔を出した。
「おはよう、風舞」
「あら、じゅらい君、おはよう」
「良い匂いでござるなぁ」
「ふふ、もう少しで出来るから待っててね」
 ここまではいつもの朝の会話だった。
「風舞?このドライアイスの箱はなんでござるか?」
 じゅらいが厨房の隅に置かれた大きな発泡スチロールの箱を見つけたのだ。
「あぁ、今日の朝市でマンボウが出てたのよ」
「食べれるの、マンボウなんか(^^;」
「でもそのマンボウ、包丁でもさばけないらしくて、ただでもらってきたの」
 風舞は野菜を切りながら答える。じゅらいはどれどれと箱を開けた。箱から蒸気のようなものが大量に漏れてきた。
「風舞、ドライアイス入れたの?」
「ドライアイス?マンボウはまだ生きてたからそんな物入れないわよ?」
 その会話の間にも、箱からは大量の蒸気が漏れている。じゅらいと風舞は箱に視線を釘付けにされていた。やがて徐々に蒸気の量は減って行き、蒸気が完全に無くなると、箱の中があらわになった。
「うぅ……ん」
 箱の中には一人の少女がぐったりと納まっていた。

 夜、少女はじゅらい亭のカウンターで眠っていた。体の方は風花に治してもらってすっかり元通りらしい。
 じゅらい亭の方はというと、今日は金曜日でもっとも客の集まる日だ。店の中は多くの客で賑いでいる。その騒々しさのなかでも、少女は全く目を覚ます気配が無い。
カランコロン♪
「やっほう、じゅーちゃんいる?」
 クレインが仕事を終えて店に入ってきた。彼はいつもの様に暴走に参加しようとして、カウンターで眠っている見慣れない少女に目を止めた。クレインは少女に近づき、ぽん、と少女の肩を叩くと、少女はようやく目を覚ました。
「お兄さん、だぁれ?」
 少女は目をこすりながら聞いた。
「俺?俺の名前はクレインだよ。君は?」
 ここまで幼いとさすがのクレインもナンパの対象外らしい。
「あーしの名前はねぇ、CDマンボっていうの」
「ふぅん…、なら、マンボちゃんって呼べば良いのかな?」
「うー?うんとねぇ、すぃーって呼ぶよ、皆」
「皆って?」
「さっちゃんとか、トメちゃんとか」
「ふむふむ」
 クレインは子供レベルの会話に必死で合わせた。
「どうしてすぃーはこんな所に居るの?」
「あぅ?…くにゅぅ」
 CDマンボはワケの分からない声を上げた。その声と同時に、ポン!と弾けるような音がし、今朝風花が花瓶に生けたカリフラワーになった。
「…???(^^;」
「あー、あっしの花がー!??」
 花瓶にもクレインにも何が起こったのか分からなかった。
 CDマンボはまた眠ってしまっていた。それ以外は普通の夜だった。

土曜日:
 CDマンボは頬杖をついて、一日中ニコニコと花瓶を見ていた。
「あのー、何でそんなに見つめるんっすか?」
「えへへー☆」
 CDマンボの頭からヒトデが飛んで花瓶に当たり、花瓶が少しかけてしまった。

日曜日:
 矢神がお茶を飲む横で眠っていた。

月曜日:
 このはについて、このはの歌を一日中聞いていた。CDマンボはときおり彼の歌を聞き様聞き真似で歌ったが、何故かその場所では客が苦しみだし、このはは1ファンタも得る事が出来なかった。

火曜日:
 nocの背中につかまっていた。nocが停止すると彼女がねじを巻いた。

水曜日:
 ふらりと居なくなっていた。居なくなった事に気付いた者は誰一人居なかった。




ファーストコンタクトに続く☆








<あとがきっぽいもの>

登場された皆様、失礼しました。
ていうか、このはは出しちゃ行けなかったんだっけか?
登場された方で不満のある方は言って下さいね〜。
なお、メールはローマ字か簡単な英語かスペイン語でよろしくお願いします。
日本語のつたなさは…精進します(汗)。



<CDマンボ・パーソナルデータ>

名前:CDマンボ
職業:人間とマンボウのかけもち
HP/MP:(人間時)150/20・(マンボウ時)無限/0
年齢:13歳(人間時)
体格:身長130p。(人間時)
備考:愛称は「すぃー」。
陸上では人間の女の子、水中ではマンボウの姿になる。
海水・淡水かかわらず水に潜ると
瞬時にマンボウになることが出来る(マンボウ時はエラ呼吸)が、
水からあがって人間に戻るには3時間かかる(マンボウ時はエラ呼吸)。
よって、人間に戻った時はいつも瀕死。誰か回復してあげてください。

人間としてはただの女の子だが、
マンボウとしては結構たくさんの子供がいるらしい。

戦闘方法(人間時)
声と共に超音波を発して様々な効果を引き起こす。
その時の感情で効果の違いは大きい。
あまり無いが、声が枯れると使えなくなる。

1、奇声
何が起こるか分からない。(ドラクエで言えばパルプンテ)
人間時は奇声が癖らしく、誰も予想しない時に奇声を上げて
仲間をピンチに追いやることもある。

2、悲鳴
敵に大ダメージ。
だが、実はあまり動じないタチなので、発せられることは少ない。
虫は全く平気だが、オバケは少し怖いらしい。

3、笑い声
敵が混乱に陥る。
軽いジョークでもけらけら笑うので、これが発せられる頻度は高い。

4、歌声
上手く歌えれば味方全員回復。はずすと味方全員にダメージ。
ちなみに上手く歌える確率はきわめて低い。
歌はその場の気分で彼女自身が作るが、
綺麗なメロディーになることは少ない。

戦闘方法(マンボウ時)
マンボウ時はHPが無限なので、身を守るための攻撃手段は持たない。
だが、仲間(子供)を守るために海流による結界を張ることが出来る。

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