「じゅらい亭日記・暴走編3」
「芸術はぶらすと・ぼむ♪(滅)」
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「うーん・・・構図が・・・・・・」
カリカリ
「ああ・・・絵って奥が深い・・・」
しみじみと呟き、絵を描いていた青年が手を止める。
「・・・・・・・・・やはり・・・」
手を止めた青年は突然、空を見上げ叫ぶ。
「ブラインドタッチは1日にしてならずぢゃぁぁぁぁああああああああっ!!」
その青年の名は、ミカドといった。
「てめえ、部下G!よくもあんな服着せやがって!殺してやっからこっちに来や
がれっ!」
「のをっ!?れいろうに頼まれただけだってばっ!?犯人は僕じゃないんだぁぁ
ああっ!!(泣&逃)」
「ゲンキ!おとなしくやられた方がいいダスよ!お前1人の犠牲でオラ達が助か
るダスから!(鬼)」
「うるさい、ボルツ!お前も一度死んでみろ!ソルクラッシャー・チャクラム!!
(暴走)」
いつもながらの暴走が起こっているじゅらい亭。幻希を女装させて殺されそう
になったゲンキが、暴走してソルクラッシャーをボルツ将軍に向けて放つ。
「・・・・・・じゅらいさん・・・またお店が・・・(;;)」
「うーん・・・壊れてますねぇ♪」
泣きながら風花が呟いた言葉に店主じゅらいが陽気に答える。最近は店が壊
れても風花達が修復してくれるから陽気なのかは、謎だ。
ガチャッ・・・バタン
店の客達が暴走を傍観していると、店にミカドが入って来た。何故か深刻そう
な顔をしている。
「いらっしゃい、ミカドさん♪どーしたの?暗い顔で?」
店主じゅらいが速攻で訊ねるが、ミカドの耳には届いていないようだ。何の反
応も無い。
「ミカドさん?どーしたんですか?」
風花の隣に座ったミカドに彼女も訊ねるのだが、ミカドはそれも聞こえなかっ
たらしく、いきなりスケッチブックを開き、絵を描き始める。
「むぅ・・・・・・ぬぅ・・・・・・うううぅ・・・・・・だーっ!!」
唸りながら絵を描いていたミカドが突然叫び、筆記用具をばらまく。
「ど、どうしたんですミカド殿!?」
「まさか、暴走かにゃぁっ!??」
驚き、声を上げるじゅらいとフェリシア使い。だが、フェリの危惧とは違いミカド
は突然カウンターに突っ伏す。
「・・・・・・どうした、ミカド?」
その光景を見て、今まで暴走していた幻希が声をかける。その足元には、ゲ
ンキとボルツがずたぼろで転がってたりする。
「あ、癒してあげなくちゃ・・・」
風花がそちらに走っていく。その足音でミカドは我に還った。
「はっ!じゅらい亭・・・・・・何で私はここに?」
「いや、何でって・・・・・・」
呆然とするミカドの言葉に幻希も「何なんだ?」といった表情になる。
「無意識の内にここに来たにゃ?凄いにゃぁ♪」
「うーん・・・凄いんだか・・・?」
フェリの言葉に笑顔に一筋の汗をたらしたじゅらいが答える。
「うーん・・・絵を描いていたはずなんですが?どーして、私はここに・・・?」
「もしかして、ここのお客さんに絵の相談に来たんじゃないですか?」
何時の間にか光速復活したゲンキがミカドの隣に座っていた。ミカドが風花の
いる方を見ると、風花が青ざめた顔でボルツを癒している。また、ゲンキがスプ
ラッタな復活でもしたのだろう。
「無意識の内に相談に来たんですか・・・そうかもしれませんね。ところで、ゲン
キさん?今回はどんな復活のしかたを?」
「ええと・・・傷口がボコボコ沸騰したようになってからビジャァッ!って、腕を再
生させました。後は、残りの傷が勝手に治っただけです♪」
「・・・・・・・・・相変わらず、妙な特技(?)ですねぇ・・・」
「はっはっはっ♪ありがとうでーす♪」
疲れた顔で呟くミカドに、別に褒めたわけでは無いのだが、ゲンキが笑う。
「うーん・・・なんだかなぁ・・・(^^;)。・・・ところで、ミカドさん?悩みが
あるならこの店のお客さん達に相談するといいですよ♪」
店主じゅらいがミカドの前にジュースを出しつつ言う。その顔は「拙者も相談に
のるよん♪」と語っている。
「そうですね(^^)。では、いきなりですが良い構図が考え付かなくて悩んでるの
です」
「構図ですか・・・難しそうですねぇ・・・(^^;)」
「拙者、昨日色んな資料を買ってきたから見てください♪」
「絵を描くにゃ?頑張ってにゃぁ♪」
「っていうか、絵を教えてくれダス!」
「誰か、僕と燈爽を描いてくれません?」
ミカドの相談に応じる店主じゅらい達。すると、次々と店内の客達が集まって来る。
「芸術は絵ばかりではありません。詩もまた芸術の一つですよ」
これは自由詩人ニシジュンの言葉。
「改造なら得意なんですけどね♪」
今度はJINNだ。
「面白さは全てに優先します。面白い絵を描かれてはいかがです?」
矢神の言葉。おもしろい言葉だ。
「ミカド様ぁ?カワイイ絵を描いてください♪」
「そうですね、ミカドさんの描いた女性はカワイイですし♪」
燈爽の言葉にゲンキも賛成する。
「そだな♪またルネアちゃんが見てぇぜ♪」
「あのルネアはもう描けませんよ(^^;)」
「ミカドさん♪そういえば、私の絵ありがとうございました♪とってもカワイイ絵
でした♪」
風花がミカドに自分の絵を描いてもらったお礼を言う。そこで、ミカドは周囲を
見て気付く。何時の間にか店内の全ての客が集まっていた。しかも、皆が自分
の相談に乗ってくれている。今、ここにいない者もいるが、彼等がいたとしたら
やはり自分の相談に乗ってくれるだろう。そう考えると、少し嬉しくなった。
「ミカドさん♪こういう構図はどうです♪ちなみに、ここに当てた手を突き出すと
腕を簡単に折れるんです♪」
ゲンキがボルツの腕を両手で極めた状態で言って来る。
「ミカド殿♪このページに良い構図があったよ♪」
「あ、何か楽しい構図にゃぁ♪」
資料を見せてくれるじゅらいと、楽しげにそれを見るフェリ。他の客達もそれぞ
れ構図を考えてくれたりしている。
「・・・・・・うむ!」
それらを見ていたミカドが立ち上がる。
「皆さん!ありがとうございます!そうですね!この程度で挫けていては駄目な
のでした!」
そして、その手に炎が生まれる。
「そう!芸術は爆発です!というわけで、景気づけに炎輝吼×1000!!」
「なっ!?何でぇぇぇぇぇぇえええええっ!!?あウッ・・・・・・(死)」
「ちょっ・・・待つダスぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?(泣)」
「うけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ!!!!」
ゲンキとボルツが黒焦げになる。だが、構わずミカドは周囲に炎を撒き散らす。
「うーん・・・ミカド殿も元気になったようですね」
「あの・・・そういう事を言っている場合では・・・(^^;)」
風花の張った風の結界の中でしみじみ呟くじゅらい。すかさずつっこむ風花。
「にゃあっ!?・・・・・・危ねえだろっ!」
炎が尻尾を掠って紅流星と化したフェリが銃を乱射する。何故かそれらは全
てゲンキに当たった。(笑)
ゴウゴウと炎が走り、既に半壊していたじゅらい亭を完全に破壊する。風花が
それを見て「直すのは疲れるのに・・・」と涙していた。
数分後・・・・・・
「げーじゅつぅわぁっ!!爆発でぇぇぇぇえええええすっ!!!」
廃虚と化したじゅらい亭の真ん中で、ミカドだけが立っていた。
部下Gに無断で載せたぜっ!(笑)
ちなみに、続くぜっ!(爆)