じゅらい亭日記暴走編6〜にくきう〜(前編)

またです。(笑)
投稿者> ゲンキ
投稿日> 03月05日(木)00時14分12秒


    「じゅらい亭日記・暴走編6」



    「にくきう〜前編〜」




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     突然だが、じゅらい亭には猫がいる。誰もが知ってる猫である。その名も、
    「フェリシア使い」。
     一体、誰が「フェリシア」で誰を「使う」のかは知らないが、ともかく彼女(?)
    の名前はそれだった。
     そして、今回はそんな彼女(?)の一日の行動を観察してみた。




    AM:07:00〜じゅらい亭〜


    「にゃ?」
     「ぱちっ」と目を開けてフェリは目覚めた。あたりを見回すと何故かじゅらい
    亭だった。
    「にゃ?」
     再び、さっきと同じセリフ(鳴き声?)であたりを見回し、疑問符を浮かべる。
    昨夜の宴会チャットの後の記憶が無い。どうやら家に帰らずここで寝ていたら
    しい。
    「・・・・・・にゃ〜・・・・・あ・・・ふぅ・・・」
     アクビをする。同時にお腹が「ぐー」と鳴る。
    「お腹空いたにゃぁ・・・何か・・・にゃ?」
     と、彼女の視線は第二厨房のあたりで止まった。入り口は閉まっているので
    中は見えない。だが、猫的嗅覚と動物的勘でそこに何かを感じる。
    「にゃぁ〜・・・この匂いは・・・・・・サンマにゃあっ!!」
    ダッ!!
     匂いが何なのか悟ったフェリは猫モードのまま目を輝かせ(本当に光ってる
    のは気のせいか?)「第二厨房」と書かれたプレートの貼ってある扉へと突進
    する。
    ガチャッ
    「さて、朝御飯♪あう?」
    スタッタッタッタッ!タンッ────!!
    「サンマにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん♪」
    「わああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」
     第二厨房からサンマの乗った皿を持って出てきたゲンキに大ジャンプから
    しっぽで痛恨の一撃を繰り出すフェリ。
    バチッ!
    「グハッ!?」
    「にゃにゃにゃにゃにゃ〜♪」
     多分に偶然の「しっぽスパイラル」を顔面に喰らい転倒するゲンキ。倒れた
    時に扉の角に頭をぶつけて気絶する。そんな事などお構い無しに食事を開始
    するフェリ。彼女はサンマが好きなようだ。



    AM:08:07


    「にゃぁ、ゲンキさんゴメンにゃぁ」
    「いえいえ、どーせフェリさんに焼いていた物ですから」
     と、謝るフェリにゲンキは言っていたりするが顔にしっぽの跡があったりする
    上、目がちょっぴり笑ってない。
    「ただ、L様へのお土産のサンマまで食べられたのは痛かったですねぇ」
    「にゃぁっ!ごめんにゃぁ!ごめんにゃぁ!」
     「痛かったですねぇ」のあたりでいつもの「(☆_☆)きゅぴがっ!」をするゲン
    キに何となく恐いものを覚えたフェリは必死で謝る。ちなみに今は猫娘形態で
    ある。
    「まぁ、それはよしとしましょう。別にサンマだけは家にはたくさんありますし」
     と、意外にあっさり許すゲンキ。実際、彼の居候しているL家ではサンマだけ
    は売るほどある。売ると怒られるが。
    「にゃぁ、そう言ってもらえると嬉しいにゃぁ♪」
    「はっはっはっ♪フェリさんが嬉しいのならナイスですねぇ♪」
     一体何がどうナイスなんだ?
    「にゃぁ、じゃあそろそろ行って来るにゃぁ♪」
     と、フェリが立ち上がる。
    「はい、どちらへ?」
     と、こちらも立ち上がるゲンキ。昨夜はじゅ亭に泊まったので一旦帰って報
    告しなくてはならない。その彼にフェリは店の外に出たところで手をぶんぶか
    振り、
    「お散歩だにゃぁ!」
     嬉しそうに駆け出した。流石に猫らしく散歩は欠かさないようだ。



    
    AM:09:12


    「にゃんにゃにゃにゃ〜♪」
     民家の塀の上を上機嫌で歩くフェリ。無論、猫モードでだ。
    「にゃあ、今日は天気がいいにゃあ♪」
     外はポカポカ暖かい。暑くなく、寒くなく、日向ぼっこのしたくなる陽気だっ
    た。
    「にゃにゃにゃにゃ・・・にゃっ!?」
     フェリが目を見開く。
    ぱたぱたぱたぱた
     蝶が飛んでいた。アゲハチョウだ。
    「にゃ・・・にゃにゃにゃ・・・・・・にゃぁーん♪」
     そのひらひらした動きに耐えられなくなったか、必死で追いかけ飛びつくフェ
    リ。そんな事をしても届かない高さにアゲハチョウはいるのだが。
    「にゃー!待つにゃぁ!!」
    タッタッタッタッ
     蝶を追いかけるのに夢中になって塀の上を走る。と、突然塀が切れて車道
    に下りてしまった。
    ガラガラガラガラガラ!!
    「にゃっ!?」
     そのフェリにタイミングよく馬車が襲いかかる!
    「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?・・・・・・あれ?」
     彼女は前肢を交差させて悲鳴を上げたが・・・・・・気付くと塀の上にいた。
    「・・・・・・・・・にゃぁ、助かったにゃぁっ!奇跡にゃぁっ!!」
     と、どうして助かったかは気にせずにひとしきり喜ぶと・・・今度はバッタとじ
    ゃれつき始める。どうやら、そうとう呑気なようだった。



    
    PM:12:35


    グー
    「お腹減ったにゃぁ」
     突然大きな音を立て始めた自分のお腹を見て猫娘フェリがベンチ(ここは公
    園)に座ってうなだれる。
    「にゃぁ・・・・・・朝のサンマは美味しかったにゃぁ・・・」
     と「じゅるり」とヨダレをたらしつつ今朝方ゲンキから強奪(笑)したサンマの
    味を思い出す。遂には「にゃんにゃんにゃん♪」などと言って目の前に映るサ
    ンマの幻影を追いかける。
    「にゃー!待つにゃぁっ!おとなしくフェリに食べられるにゃぁっ!!」
     目の前で「ぴちぴち♪」と跳ねるサンマ(幻覚)を追いかけていると、
    ドンッ
     誰かにぶつかった。
    「にゃ、にゃあ?ごめんにゃぁ?」
     尻餅ついたもののすぐに起き上がりぶつかった相手に謝る。ぶつかったの
    は、大柄のオッチャンで見るからに・・・・・・その・・・なんというかですねぇ・・・
    ・・・(汗)
    「あぁ?゛ゴメン゛だ姉ちゃん?そんなんで済むと思ってんのかコラァッ!!俺
    ァ骨が折れちまったぞ?!」
     と、睨み付けて来る。ビクッとするフェリ。
    「にゃ、にゃぁっ!?骨折にゃぁ?!それは、大変にゃっ!一緒に来るにゃ!
    風花さんかヴィシュヌさんがいれば治してくれるにゃ!!」
     と、ちょっとビビりながらもオッチャン(893だ)の腕を掴み連れて行こうとす
    る。ちなみに、無論だが彼女がぶつかっただけで骨折などしているわけが無
    い。
     そう、つまりオッチャンもわざと骨折したフリをしているのだ。当然、
    「一緒に来るのはてめぇだっ!オラ、とっとと来い!!」
     と、フェリを拉致しようとする。だが───。
    シュッ!カッ!カカカカカカカッ!!
    「なっ?!」
     突然オッチャンの足元に数本のナイフが突き刺さる。しかも、それらは文字
    を形作っていた。すなわち、「死」と。
    「だ、誰だっ!?」
    「暴走すれば!」
    「被害甚大!」
    「ちょっと待て、正体バラすなっ!(スリッパ)」
    「(スパーン!)痛っ!?私を殴るなっ!!」
    「皆・・・それよりフェリさんが・・・」
     突然・・・そう、本っ気で突然に黒ずくめの・・・最近の気候では暑いのではな
    いだろうか?というくらい全身をスッポリと布で覆った5人組が現れる。
    「・・・・・・にゃあーっ!?」
    「ほれ、行くぞ」
     その5人を見たオッチャンは関わらない方が良いと判断したのか、フェリを
    引きずり再び歩き出す。
    「あっ!?何かイキナリ大ピンチだっ!!」
    「お茶でも飲んで落ち着いてから助ける方法を考えようか?」
    「そんな場合ではないのだがね?」
    「ゴチャゴチャ言うなっ!!こういう時はこうすんだっ!!」
    「あ、レッ・・・・・・謎の黒ずくめR(命名)!!」
     フェリがさらわれそうになるのを見て、謎の黒ずくめRとやらはオッチャンへ
    と走り、そして───!!
    「必殺!!ただの蹴りっ!!!!」
    ゴギンッ!
    「更にっ!!転んだ相手を蹴りまくれっ!!」
    ゲシッ!ドゲシゲシゲシゲシゲシ!!
    「そして、最後は正義の味方らしく決めゼリフだっ!『ようよう、オッチャン?今
    度、この姉ちゃんに手ぇ出してみろや?東京湾にコンクリ詰めでぶちこんだる
    ぞ?』ってな♪」
    「それは悪役のセリフだぁぁぁぁあああああああっ!!!」
     何だか危険な事をほざく黒ずくめRに黒ずくめ・・・えーと・・・Bの真空飛び
    膝蹴りが炸裂し、Rはオッチャン共々地面に倒れ伏す。
    「にゃ・・・にゃぁ?」
     と、こちらは何だか状況が飲み込めないフェリ。すると、ススッと黒ずくめの
    1人が近寄って来て恭しく礼をすると告げる。
    「どうも、可愛いおぢゃうさん。御説明すると我々は通りすがりの謎の正義の
    味方で、私がリーダーです。と、いうわけで御一緒にお茶でも?」
    「にゃ、にゃぁ?あ、ありがとにゃあ?」
     彼・・・謎の黒ずくめH(勝手にリーダー化)に立ち上がらせてもらって何とは
    なしに礼を言うフェリ。
    「ホワ・・・謎の黒ずくめH。それより、そろそろ僕等は帰ろう?」
    「う・・・ル・・・じゃない分かった謎の黒ずくめR2。で、ではまたっ!今度お会
    い出来た時には御一緒にお茶でも!では────っ!(神速)」
     謎の黒ずくめR2(無茶苦茶だ)の言葉にHも、その他の黒ずくめも頷くと驚
    異的な速度に走り出す。と、思ったら1人戻って来た。
    「にゃ、にゃ?」
    スタスタスタ
     彼は無言で倒れたオッチャンに歩み寄ると頬を叩き目を覚まさせ、告げる。
    「オッサン・・・弱そうな女性にぶつかって金騙し取ろうとかいう程度の事しか
    出来ない奴が偉そうにしてんじゃねーぞ?次に同じ事やったらあれだ」
     と、地面に突き立った例のナイフを指差す。オッチャンは「ひぃっ!?」と叫
    びのような声を上げながら逃げて行った。
    「あ、では───────♪」
    ヴゥン!
     オッチャンが逃げた後、彼もフェリに手を振り音譜だけを残しつつ消えた。
    「・・・・・・・・・・・・・・・・・・にゃ?そういえばお腹空いてたんだったにゃぁ?」
     相変わらず「グー」と鳴るお腹を見つめ、変な五人組の事も光速忘却し・・・
    フェリの散歩は続くようだった。


                                    
                                          「中編」に続く♪      

         

むぅ、今回は予定ですが前・中・後編のハズです。(^^;)
前編はごらんの通り(どんな通りや)ギャグ(?)です。何故か
僕がヤンキー化してますね?まぁ、本人がそうですが。(笑)
主役のフェリさん♪ありがとーございます♪残りの二つもフ
ェリさんのお話です(当たり前だ)♪どうぞおつきあいくださいませ♪
さて、では今回はこれにて・・・・・・明日の晩は炊事がめんどいや♪(爆)

■INDEX■□中編□