じゅらい亭日記セカンド

じゅらい亭日記セカンド第六話 『 MCB出撃!』
投稿者> Landa
投稿日> 04月03日(金)20時24分49秒


前回までのあらすじ
伝説の虫『ゼファール』の復活を阻止するために、伝説の武器を探そうと考えた
弦楽器と燈爽。その前に突如現れた、B・風花!彼女が、二人の伝説の武器探し
を妨げたのには訳があった。しかし、彼女はそれを語ろうとはしなかった…。
しかし、その沈黙するB・風花を二人は信じ、次なる方法を考える。そこに矢神
が現われ、デマドの遺産が伝説の虫『ゼファール』を倒すために作られたという
伝承を語りはじめる。しかしその話の最中に、デマドの遺産管理人「表太郎」が
現われ、矢神に最強の遺産「アヒルちゃん」を渡す。その遺産に矢神は戸惑いを
隠しきれない…そしてその矢神が導き出した結論とは!
OP開始:Bland-New-Heart(ガガガバージョン))

第六話 「 MCB出撃!」

「不愉快だわ…」
副艦長のシートに着いている彼女はそう呟いた。
「何でこんなに出撃に時間がかかるの!超高性能なんでしょ!」
ヒステリックに叫ぶ彼女に、時音が優しく諭す。
「仕方ないですよ…、次元摩擦での金属の疲弊を少しでも減らすために、ミラー
コーティングをして次元を超えなくてはいけませんから」
「だぁー!そうじゃなくて!どうして次元を超えるなんて回りくどい方法で地上
に出るのよ!直接ドックから出ればいいじゃない、天井展開するんでしょ?」
「でも、この艦かなりの大きさですから、ドックの上を展開して出撃したらサク
ラ○戦の空中戦艦「三笠」の発進の時みたいに、街が二つに割れちゃいますよ」
どこでそんな知識を仕入れてくるのだろう…彼女。
「うっ、確かにそれじゃぁ被害が増えるかも…」
「分かって頂けましたか、幻姫さん?」

「よし、次元を超えて地上に出たぞ。カンタムは?」
じゅらいがレーダー担当の悠之に聞く。彼女はしばし画面を見た後。
「はい、八時から九時の方向に三十四のエネルギー反応が有ります。これがおそ
らく…」
「時音、八時から九時の方向拡大表示」
「了解」
じゅらいの言葉に時音の指が滑るように動き、正面のメイン画面にカンタムの機
影が映し出される。
「…ここに落ちた隕石は一個だけだったのに、なぜこんなに?」
このはが画面を見ながら呆然と呟く。
「多分…地上にも協力者が居たのでしょう…そして隕石に偽装してカンタムを落
としたのはN作戦開始のただの合図だった…」
と、広瀬が苦々しくつぶやく。
「あっ、カオル君だ!」
話を聞きながらもメイン画面を見ていた風花は、白いカンタムに紛れて浮いてい
るカ…いやケヴィンを発見した。
「そうだ、カオル君と助けないと…ここに居るのもカオル君のおかげなんだし」
とゲンキが言う。それにじゅらいは肯き、
「鏡花さん、MCB(精神制御機兵)は完成してますか?」
「はい、一応、三機ほど。幻希さんの『紅火炎(プロミネンス)』と燈爽ちゃん
の『洗輝(クイックル)』、そして最後はこのはさんの『桜歌(おうか)』です。
ただ、このはさんの桜歌は、オプションがあってこそ本当の力を発揮できる設計
になってますから、使えるのは紅火炎と洗輝の二機です。今、他のMCBも急いで
建造中です」
との鏡花の答えに、幻希が質問する
「そのMCBってのは何なんだ、一体?」
「それはですね、カンタム見たいなMSに近いんですが操縦の必要が無く、自分の
意識で機体を制御する兵器です。簡単に言えばMS版エヴァって感じでしょうか」
再び答える鏡花。そして焔帝
「ギア・バーラー見たいな奴ですね」
確かにその通り…影響もろ受け(爆)
「では、幻希さん、燈爽ちゃん、出撃お願い出来ますか?」
「おう、任せとけ!」
「あぅ、頑張りますぅ♪」
幻希と燈爽はじゅらいの言葉に元気よくそう答えた。

(ありさんを虫眼鏡で観察する矢神のイラスト表示)
(CM突入)

人物A「こんにちは〜、今日はまたまたレアなアイテムですよ♪」
人物B「へぇ〜、どんな商品なんですか?」
人物A「今回はなんとこの『モップのクリーナー』!」
人物B「あっ、これは燈爽ちゃんの『クリーナ』に似てますね」
人物A「その通り!これは『クリーナ』と同じデザインのモップなんですよ!」
人物B「ほほぉう」
人物A「今回は限定10本!全てにナンバーがうってあるすばらしい品ですよ」
人物B「ぜひとも欲しい一品ですね♪」
人物A「今ならこのモップをお買い上げの方に貴方のパソコンが10倍楽しく
         なる『パソコン版 神・特殊システム』をおつけします」
人物B「それって今回の戦艦に組み込まれてる超AIですね♪」
人物A「そうです♪『勝手に変換機能』や『ウイルス発見機能(駆除は出来ない)』、
     『自己進化機能』『必要な物まで勝手にお掃除機能』『困った時の現実逃避
       機能』など、毎日が楽しくなります♪」
人物B「ほぉ、すばらしい♪」
人物A「今回、この『モップのクリーナー』に『パソコン版 神・特殊システム』
       をおつけして…なんと500ファンタ!」
人物B「なんて安い!これは買わないといけません!」
人物A「では、皆さん良いお買い物を…」

(CM終了)
(考える像の真似をするnocのイラスト表示)

「紅火炎(プロミネンス)、幻希 出るぜ!」
「洗輝(クイックル)、燈爽 行きますぅ!」
スティンの甲板に展開したカタパルトを、二機のMCBが滑走しカンタムのいる方
角の空に向けて飛び立つ。紅火炎はその名の通り赤色の機体だ、そして洗輝の方
は全体的に白だが、少しだけ青い線が入っている。その手には、二股に分かれた
金属…音叉が握られている。その二機が空を駆ける。

「じゅらいさん、あたし達もこの艦で後を追わなくていいの?」
カンタムへ向けて飛んでいく二機を見つめながら、副艦長である幻姫がじゅらい
に聞く。この質問はここにいるほとんどの者の心情を代弁していた。
「追わなくていいんだよ…危険だからね」
「ちょ!ちょっと危険なら、なおさら助けに行かないと!あの二人を見殺しにす
る気!!」
「ひどいですよ、じゅらいさん!」
「…ちょっと残酷ですね」
みんなの反応に多少驚きながら、じゅらいは答える
「違うよ、あの二人が危険なんじゃない…あの二人の戦いに巻き込まれるとこの
スティンが危ないんだよ。もちろん空間障壁を使えば大丈夫だけど、無駄なエネ
ルギーを使うわけにはいかないだろ?」
「この艦が危険?」
どうもピンと来ないのか、クレインが思案顔になる。
「はい、あのMCBは普通のMSには負けません。ただ使う技が強力過ぎて味方にまで
影響を及ぼしかねないのです」
思案顔のクレインに鏡花が説明をする。
「強力過ぎる?」
再び思案顔のクレインに、今度はじゅらいが言う。
「百聞は一見にしかず…その目で確かめるといいよ」
そう言って示すメイン画面には、カンタムと向かい合う二機が映し出されていた。

「へぇ、意外に操作は簡単だな」
【紅火炎】のコックピットで幻希は呟く。
「あぅ、この音叉は何なんでしょうかぁ?」
燈爽はそう言い、【洗輝】の手にある音叉を見つめる…すると横の画面に取説
(取り扱い説明書)が表示される。幻希の方でも同じ様なことが起きていた。
「あぅ、なるほどぉ…」
「よっしゃ!分かったぜ!」
二人が取説を(流し読みだが)読み終えた時、二機の前には無数のカンタムが立
ちはだかっていた。
「やってやろうぜ!燈爽ちゃん」
「あぅ、そうですね!」
二人の機体はカンタムに向かっていった。


第六話 MCB出撃!−完−


次回 「何がために音叉は鳴る?」

風舞:「…その必要はないですよ、マスター」
じゅらい:「風舞!無事だったんだな!」
このは:「よかったですね、じゅらいさん」
陽滝:「…風舞…何故泣いてるの?」

幻希:「どうした、焔帝!」
ゲンキ:「ま、まさか今ので力を…」
幻姫:「そ、そんなあたしのために…」
幻希:「いや、まだ助ける方法はある…」
ゲンキ:「それは一体?」

矢神:「そんなここまでひっぱといて冗談?」
弦楽器:「ちょっと酷いですね」
???:「い、いや、冗談と言うのは冗談だ…」
弦楽器:「どっちが真実なんでしょう?」
燈爽:「あぅ、伝説の虫『ゼファール』が復活しますぅ!」
???:「時は満ちた…」

なおこの次回予告はフィクションです、本気にしないでください。
では、あれば次回「何がために音叉は鳴る?」
借金は減るのか?

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