じゅらい亭日記セカンド

じゅらい亭日記セカンド第七話 「何がために音叉は鳴る?」
投稿者> Landa
投稿日> 04月04日(土)13時51分48秒


前回までのあらすじ
焔帝が発揮した力…その力で幻姫と【潔癖】を分離させた幻希達。そこを突いた攻撃で
【潔癖】を倒し、幻姫も意識を取り戻した。喜ぶ幻希達だがそれもつかの間。強力なエ
ネルギーの流出で今度は焔帝が生命の危機に陥ってしまった。困惑するゲンキと幻姫…
しかし幻希だけは何か案があるらしい。
その幻希の考え出した案とは!
OP開始:Bland-New-Heart(ガガガバージョン))


第七話 「何がために音叉は鳴る?」


「ガンダム売るよ!」
カンタムの飛来した、じゅらい亭のある街…「ランサ」ではカンタムに対抗するため、
そんなものが売買されていた。ちなみに名前の由来は「希望(エスぺランサ)」に有る
らしい。

「よし、やってやるか!」
無数のカンタムを目前にして、【紅火炎(プロミネンス)】に搭乗する幻希は自分に言
い聞かせる様に言う。それに応えるかのように紅火炎がカンタムに向けて飛ぶ。その拳
の一撃が一体のカンタムを破壊していく。そして何体のカンタムを破壊した時、幻希は
ふと気付く。
「そういやぁ、これには遠距離系の技はないのか?」
その幻希の言葉に反応して、再び取説がサイドの画面に表示される。
「えっと、何?言葉を言いながらじゃないと出せない?『俺のこの手が真っ赤に燃える!
お前を倒せと轟き叫ぶ…』?何々、もう一つあるのか?さすがに言いにくいもんな、こ
んなの。えっと『我が拳は神の息吹、落ちたる種を開花させ…』なんだこれ?」
幻希は指定された『言葉』の最初だけ読んで思案顔になる。
その表示が終わった後に、再び違う言葉が表示される。
「何々?『なお、キーワードとなる『言葉』は自分で登録出来ます』?だぁ!最初から
登録させろ!」
そう言うと幻希はすぐに『言葉』の登録を済ませた。
「食らえ!『滅火(ホロビ)』!」
登録された『言葉』と幻希の意志により、紅火炎の手から灼熱の炎が打ち出される。
それはあっさりと三体のカンタムを突き抜け撃墜する。

「へぇ♪確かに強力ですね♪」
メインスクリーンに表示される紅火炎を見て、クレインがじゅらいに言う。
「でも、この艦が危なくなるほどじゃないと思うんですけど?」
とこのはが不思議そうに言う。
「う〜ん、幻希さんの紅火炎は1対1で真の力を発揮するタイプですから。でも燈爽ちゃ
んの【洗輝(クイックル)】はこういった状況で力を発揮するはずなんですけど」
とこのはに説明した鏡花は、再びスクリーンに視線を戻す。
「戦ってないですね(笑)」
そう矢神の言葉通り、燈爽は戦っていなかった。敵の攻撃を音叉で弾いているだけだ。
「燈爽ちゃん、どうしたの?」
通信担当の風舞が、燈爽に語り掛ける。コックピットの中の燈爽が表示され、その燈爽
が心配そうに言う。
「あぅ、あの中も人が居るんですよね?」
メインスクリーンの隅に、小さく燈爽の写った画面が表示される。どうやら燈爽は、カ
ンタムの中の人間が気になるらしい。燈爽に聞かれ風舞は返答に詰まる。
「そ、それは…」
とその時、後ろから透き通った声が響いた。
「あれには人は乗ってないよ、無人さ」
声の主に視線が集まる、そこに居たのは、
「カオ…いや、ケヴィンさん!どうしてここに?」
さっきまで幻希達の居る辺りに居たはずなのに、何時の間にか艦の中に入り込んでる。
じゅらいの言葉はみんなの気持ちを代弁していた。
「まぁそれは気にしないでください、正義の味方は神出鬼没なのですよ」
と微笑むケヴィン。
「…それでカオル君、あのカンタムが無人ってどういうこと?」
凍結した時間から一番早く立ち直ったゲンキが、ケヴィンに聞く。
「私の名前はケヴィン!…あのカンタムのことだけど、あれはいわゆる精神でコントロ
ールされている機体だ。そう、ビットとかファンネルみたいな…ビットモビルスーツ」
「エアッドみたいな奴ですね」
さてこの台詞は誰のでしょう(笑)
「あれをコントロールしてる奴は他のことろにいる」
「なるほど、だから無人なのか」
とじゅらいが納得する。それを聞いた風舞は
「燈爽ちゃん、今の話聞いてたでしょ?相手は無人だわ」
燈爽は風舞の言葉に肯き、
「あぅ!わかりましたぁ!敵MS撃墜しますぅ!」

(表示:借金の請求書の下敷きになって涙するレジェのイラスト)
(CM突入)

人物A:「今日ご紹介するのはこれ!「じゅらい亭トレカ」!」
人物B:「へぇ〜、そんな物まで出たんですね?」
人物A:「えぇ、中には各人物のプロフィールカードや、焔帝さんデザインのグラフィッ
        クカード!借金のリストカードやレアなスペシャルカードも有ります!」
人物B:「スペシャルカード…甘美な響きですねぇ」
人物A:「これはプレミアつくこと間違い無し!」
人物B:「私も是非欲しいですね、気になるお値段の方は?」
人物A:「一パック八枚入り(全77種類)で2ファンタ80コカ(1コカ=1円)!」
人物B:「私はボックス単位で買いたいんですけど?」
人物A:「お任せください!ボックス単位でお買い上げの方は5%OFFさせて頂きます!
         さらにカートン単位でお買い上げの方は10%OFFさせて頂きます♪」
人物B:「へぇ〜、安くなるんですね〜」
人物A:「では、皆さん良いお買い物を〜」

(CM終了)
(表示:振り返りニヤリとするボルツ将軍のイラスト)

燈爽は風舞の言葉に肯き、
「あぅ!わかりましたぁ!敵MS撃墜しますぅ!」
燈爽の声と意志に反応し、「洗輝」が音叉を構える。それを見たカンタムが洗輝を取り
囲む。
「幻希様、大丈夫だと思いますが少し離れててくださいぃ〜」
「何をする気だ?燈爽ちゃん」
燈爽の言葉に従い少し後退しながら幻希は聞く。
「まぁ、見ててください、洗輝の本当の力を…」
と幻希に燈爽は微笑む、そして
「あぅ、行きますよぉ!『共鳴音叉・ツインセヴァール』解除(リリース)!」
その声が響くと同時に、洗輝を取り囲んでいたカンタムから順番に爆発して行く。
それは波紋の様に広がり、辺りのカンタムを次々と撃破する。
「こ、これは確かに強力ですね…」
どんどん爆発していくカンタムを見ながら、風花は呆然と呟いた。
「一体どんな攻撃方法なんですか?」
「共鳴の力を利用して相手の機体を構成する物質を崩壊させたんです。だから違う物質
で出来ている紅火炎は無事でも、カンタムはほとんど撃破されるんです」
もう数機しか残っていないカンタムを指差して鏡花が言う。残りのカンタムも、幻希の
紅火炎が撃墜を始めた。そして程無くレーダーに入る限りのカンタムを撃破した。
「どうやら第一戦は勝ったようですね」
「あぁ、そうだね」
広瀬の言葉にじゅらいはにこやかに頷いた。

「みんなひどいにゃ〜、フェリのこと忘れて〜」
テレ砲台にセットされたままじゅらい達に忘れられたフェリは一人涙を流していた。
「うにゃ!これ…はずれにゃいにゃ…ど、どうするにゃ?」
「フェリシア使いさん、助けて差し上げましょうか〜」
自分の置かれた状況に涙するフェリに女神(フェリにとって)が声をかけてきた。
「にゃ!ヴィシュヌさん助けてにゃ〜!」
動かないレジェを持ったヴィシュヌはにこやかに肯き
「助けてあげますから、少し手伝って欲しいことが有るんですけど〜?召喚神だけでは
大変ですからぁ〜」
「わかったにゃ!手伝うから助けてにゃ!」
何を手伝うかは知らないがこの状況よりかはいいだろうと思い、フェリはすぐにその案
を受け入れた。
「じゃぁ〜、助けて差し上げますね〜」
こうしてヴィシュヌはレジェとフェリを連れてその場を去っていった。


第七話  何がために音叉は鳴る?−完−



次回 「カンタム四機確認!」

じゅらい:「風舞?」
風舞:「…マスター、私のためにジュンさんが…」
このは:「ま、まさか…」
陽滝:「力を使った…?」

幻希:「三人の力を一つにする…」
ゲンキ:「なるほど、三人の力なら助けることができる!」
幻姫:「で、でも誰に集めるの…強大な力を一人に集めるのは危険よ」
幻希:「でも、やるしかないだろ?俺が力を集める!」
ゲンキ:「幻希…お前」

矢神:「遅かったのか?」
弦楽器:「そ、そんな…」
???:「まだ間に合う…その『アヒルちゃん』の真の力を見つけるのだ」
弦楽器:「どうやって?」
燈爽:「『アヒルちゃん』と言えばお風呂ですねぇ」
???:「…(驚愕)せ、正解だ、何故わかった!」

なおこの次回予告はフィクションです、本気にしないでください。
では、あれば次回「カンタム四機確認!」
借金は減るのか?

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